円高・円安は、外国の株を持つ人に何をするのか
オルカンの値段が下がった日、原因は2つしかありません。世界の株が下がったか、円高になったか。このうち後半――為替のほうを、ここでまとめて説明します。ここが分かると、毎日の数字の見え方が変わります。
1. なぜ「外国の株」なのに、円の話が出てくるのか
オルカンは、世界およそ50か国・数千社の株を持っています。そのうち約95%は、外国の会社です。アメリカの株はドルで、ヨーロッパの株はユーロで、インドの株はルピーで買われています。
でも私たちが画面で見ているのは「38,842円」という日本円の数字です。つまりオルカンの値段は、毎日こうやって計算されています。
かけ算です。だから、どちらか片方が動くだけで、値段は変わります。株がまったく動かなかった日でも、為替が動けば値段は動きます。
2. 数字でやってみる
1万ドルぶんのアメリカ株を持っているとします。
| 1ドル=160円のとき | 160万円 |
|---|---|
| 1ドル=156円になったら | 156万円 |
| 差 | -4万円 |
株は1ミリも動いていません。持っているものは同じ1万ドルぶんの株のままです。それでも日本円で見ると4万円減っています。これが円高です。
逆もあります。
| 1ドル=160円のとき | 160万円 |
|---|---|
| 1ドル=165円になったら | 165万円 |
| 差 | +5万円 |
やっぱり株は動いていないのに、5万円増えました。これが円安です。
3. 円高・円安の、覚えかた
「円高」「円安」は、多くの人がいちど混乱するところです。数字が小さくなるほうが円高だからです。
なぜなら、前より少ない円で、1ドルが買えるようになったから。円の力が強くなった、ということです。
ハンバーガーで考えると分かりやすいかもしれません。1個160円だったものが156円で買えるようになったら、あなたの持っているお金の値打ちは上がっています。それと同じことが、ドルに対して起きています。
4. どっちがいい、という話ではない
ここで大事なことがあります。円高と円安に、良い悪いはありません。立場によって、まるで逆になるからです。
| 外国の株を持っている人 | 円安が有利/円高が不利 |
|---|---|
| 外国へ物を売る会社 | 円安が有利/円高が不利 |
| 外国から物を買う会社 | 円高が有利/円安が不利 |
| 海外旅行に行く人 | 円高が有利/円安が不利 |
| 輸入品を買う私たち | 円高が有利/円安が不利 |
ニュースで「円高が進みました」と暗い声で読まれたり、明るい声で読まれたりするのは、このためです。誰にとっての話かで、意味がひっくり返ります。
5. ここがいちばん大事 ―― フェアに見る
オルカンを持っていると、こういうことが起きます。
- 円安の時期 … 世界の株がそこそこでも、日本円で見た値段はぐんぐん伸びる
- 円高の時期 … 世界の株が上がっていても、日本円で見た値段は減ることがある
2022年から2025年にかけて、日本は大きな円安の時期でした。この間、オルカンが力強く伸びて見えたのには、円安がかなり効いています。世界の株が強かったのも本当ですが、それだけではありません。
下がったときだけ「為替のせいだ」と言うのは、フェアではありません。
このサイトが毎日「世界の株の分」と「為替の分」を分けて出しているのは、そのためです。良い日も悪い日も、同じ物差しで見る。それだけのことです。
6. じゃあ、どうすればいいのか
ここでは「こうすべきです」とは書きません。それは一人ひとりの事情によって違いますし、このサイトは買え・売れを言わない場所です。
書けるのは、ここまでです。
- オルカンの値段は、株と為替のかけ算でできている
- だから、下がった日に「世界がダメになった」とは限らない
- 逆に、上がった日に「世界が good だった」とも限らない
- どちらがどれだけ効いたかは、数字で分けられる
分けて見られるようになると、ニュースの見出しに気持ちを引っぱられることが、少し減ります。それがこのページの目的です。