上の帯=オルカンが投資している国/下の帯=そこを通じて持っている会社の例

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基本のき ⑤ 毎日の数字の読み方 21

円高・円安は、外国の株を持つ人に何をするのか

オルカンの値段が下がった日、原因は2つしかありません。世界の株が下がったか、円高になったか。このうち後半――為替のほうを、ここでまとめて説明します。ここが分かると、毎日の数字の見え方が変わります。

1. なぜ「外国の株」なのに、円の話が出てくるのか

オルカンは、世界およそ50か国・数千社の株を持っています。そのうち約95%は、外国の会社です。アメリカの株はドルで、ヨーロッパの株はユーロで、インドの株はルピーで買われています。

でも私たちが画面で見ているのは「38,842円」という日本円の数字です。つまりオルカンの値段は、毎日こうやって計算されています。

外国の株が、いくらになったか × その通貨が、円でいくらか = 基準価額

かけ算です。だから、どちらか片方が動くだけで、値段は変わります。株がまったく動かなかった日でも、為替が動けば値段は動きます。

外国の株の書類を抱える人と、電卓で円の金額を計算する人。株は1万ドル、為替は1ドル=160円で、右の書類には160万円。下に1万ドル×160円=160万円の計算式を示した、単色の面と線で描く解説イラスト。
外国の株は、その通貨を円に直して見ます。株の値段が同じでも、為替が変わると円での金額は変わります。

2. 数字でやってみる

1万ドルぶんのアメリカ株を持っているとします。

1ドル=160円のとき160万円
1ドル=156円になったら156万円
差-4万円

株は1ミリも動いていません。持っているものは同じ1万ドルぶんの株のままです。それでも日本円で見ると4万円減っています。これが円高です。

逆もあります。

1ドル=160円のとき160万円
1ドル=165円になったら165万円
差+5万円

やっぱり株は動いていないのに、5万円増えました。これが円安です。

同じ人物が同じ1万ドルぶんの株を持つ3つの比較。中央の基準は1ドル=160円で160万円。左の円高は1ドル=156円で156万円、差は−4万円。右の円安は1ドル=165円で165万円、差は+5万円。円の札束の量も変え、株は同じでも円での金額が変わることを示す。
同じ1万ドルぶんの株を、為替だけ変えて比べた計算例です。差額は、1ドル=160円のときの160万円を基準にしています。

3. 円高・円安の、覚えかた

「円高」「円安」は、多くの人がいちど混乱するところです。数字が小さくなるほうが円高だからです。

1ドル=160円 → 156円 これは円高。
なぜなら、前より少ない円で、1ドルが買えるようになったから。円の力が強くなった、ということです。

ハンバーガーで考えると分かりやすいかもしれません。1個160円だったものが156円で買えるようになったら、あなたの持っているお金の値打ちは上がっています。それと同じことが、ドルに対して起きています。

4. どっちがいい、という話ではない

ここで大事なことがあります。円高と円安に、良い悪いはありません。立場によって、まるで逆になるからです。

外国の株を持っている人円安が有利/円高が不利
外国へ物を売る会社円安が有利/円高が不利
外国から物を買う会社円高が有利/円安が不利
海外旅行に行く人円高が有利/円安が不利
輸入品を買う私たち円高が有利/円安が不利

ニュースで「円高が進みました」と暗い声で読まれたり、明るい声で読まれたりするのは、このためです。誰にとっての話かで、意味がひっくり返ります。

上段は株の書類を持つ人と、船のそばで商品を送り出す人で、円安が有利・円高が不利。下段は輸入した品物を受け取る人、かばんを引く海外旅行者、輸入品のカップを買う人で、円高が有利・円安が不利。5人の動作と持ち物を単色の面と線で描く解説イラスト。
外貨を円に直す立場と、円で外貨や輸入品を買う立場。誰にとっての話かで、有利・不利は変わります。

5. ここがいちばん大事 ―― フェアに見る

オルカンを持っていると、こういうことが起きます。

2022年から2025年にかけて、日本は大きな円安の時期でした。この間、オルカンが力強く伸びて見えたのには、円安がかなり効いています。世界の株が強かったのも本当ですが、それだけではありません。

上がったときだけ「株が良かった」と思い、
下がったときだけ「為替のせいだ」と言うのは、フェアではありません。

このサイトが毎日「世界の株の分」と「為替の分」を分けて出しているのは、そのためです。良い日も悪い日も、同じ物差しで見る。それだけのことです。

6. じゃあ、どうすればいいのか

ここでは「こうすべきです」とは書きません。それは一人ひとりの事情によって違いますし、このサイトは買え・売れを言わない場所です。

書けるのは、ここまでです。

分けて見られるようになると、ニュースの見出しに気持ちを引っぱられることが、少し減ります。それがこのページの目的です。

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