上の帯=オルカンが投資している国/下の帯=そこを通じて持っている会社の例

← 最新の記録へ

週まとめ / 2026年8月31日〜9月4日の週

世界の株は上がっていた。それでもオルカンは下がった

この一週間、オルカンは38,842円から37,945円へ、897円下がりました(-2.31%)。5営業日のうち4日が下げです。数字だけ見ると、しんどい一週間に見えます。

ところが、中身を開けると話が逆になります。

1. 世界の株は、むしろ上がっていた

オルカンが目標にしている世界株の指数は、この一週間でプラス0.50%でした。下がっていません。国ごとに見ると、こうです。

ブラジル BOVESPA+5.40%
新興国 全体+2.32%
アメリカ ナスダック+0.40%
アメリカ S&P500+0.09%
中国 上海総合-0.56%
ヨーロッパ STOXX50-1.43%
韓国 KOSPI-1.50%
ドイツ DAX-1.97%
日本 日経平均-2.09%
世界全体(MSCI ACWI)+0.50%

上がった国と下がった国が、はっきり分かれた週でした。「世界中に分けて持つ」ということが、そのまま形になって出ています。一つの国だけを見ていたら、まるで違う景色になっていたはずです。

2. では、なぜ下がったのか ―― 円高です

この一週間で、ドル円は160.12円から156.22円まで、およそ4円動きました(-2.44%)。円の値打ちが上がった、つまり円高です。

ざっくり足し算すると、こうなります。

世界の株が上がった分+0.50%
円高で目減りした分(外貨95%)-2.32%
この2つで説明できる分-1.82%
実際の動き-2.31%

説明しきれなかった分は -0.49%。 ぴったりは合いません。オルカンの中身が指数と完全に同じではないこと、為替を当てはめる時刻が厳密には違うこと、手数料が毎日少しずつ引かれていること――理由はいくつもあります。合わない分は、消さずにそのまま出しておきます。

3. この一週間に起きたこと ―― 10個

ここからは「起きたこと」を並べます。「これのせいで下がった」とは書きません。相場が動く理由はいつも一つではなく、あとから一本の線で結ぶと、たいてい嘘になるからです。

  1. 原油WTI)が83.40ドルから91.48ドルへ、+9.69%上がりました。この一週間で、世界でいちばん大きく動いたのがこれです。
  2. その背景として、ホルムズ海峡の通航が減っていること、イラン情勢への警戒が伝えられています。ホルムズ海峡は、世界の石油タンカーが通る細い海の道です。
  3. エネルギー関連の株が+2.20%で、アメリカのセクター(業種)のなかで一番の上昇でした。
  4. ブラジルの株が+5.40%。ブラジルは石油や鉄鉱石を売る国です。
  5. Meta(フェイスブックの会社)が+6.70%。新しいAIモデルを発表したことが伝えられています。
  6. NVIDIA(エヌビディア)が+5.89%。8月末に出した決算が市場の予想を上回っていました(売上962億ドル、予想は923億ドル)。
  7. いっぽうで、Amazon -2.97%、Broadcom -2.95%、Microsoft -2.69%、Alphabet(グーグル)-2.35%。同じ「大きなIT企業」でも、上と下がはっきり分かれました。
  8. 9月2日、日銀の高田創審議委員が「機動的に利上げを進めるべき」という考えを示しました。市場では、9月の利上げを見込む割合が8割〜9割まで高まっていたと伝えられています。
  9. アメリカの財務長官と日銀総裁が会談し、その内容が公表されました。円が157円台から156円台へ動く、ひとつのきっかけになったと報じられています。
  10. ドル円は160.12円から156.22円へ、-2.44%。金は-1.08%、アメリカの10年金利は4.72%から4.78%へ。日本の日経平均は-2.09%、ドイツのDAXは-1.97%でした。

4. この3つを、もう少し詳しく

① 原油が上がると、世界のどこが動くのか

今週いちばん大きく動いたのは、株ではなく原油でした。1週間で約10%です。

原油が上がると、つながって動くものがあります。石油を掘って売る会社は、同じものを高く売れるので有利になります。だからエネルギー関連の株が上がりました(+2.20%)。石油や鉄鉱石を売る国も同じです。ブラジルの株が+5.40%と大きく上がったのは、そこと無関係ではないでしょう。

「新興国が+2.32%上がった」の中身は、かなりの部分がブラジルでした。数字をひとかたまりで見ると「新興国が元気だった」で終わりますが、開けてみると資源の値段の話だったわけです。

逆に、原油が上がって困る側もいます。石油をほとんど輸入に頼っている日本やドイツのような国です。今週、日経平均は-2.09%、ドイツのDAXは-1.97%でした。ただし、これらの国が下がった理由が原油だけとは限りません。日本には円高という別の要因もありました。ここを一本の線で結ばないことが、大事なところです。

② 「IT企業の株」は、ひとかたまりではない

ニュースでは「ハイテク株が上がった/下がった」とまとめて言われがちです。でも今週の中身を見ると、同じ一週間で、まったく逆に動いています。

Meta+6.70%
NVIDIA+5.89%
TSMC+2.73%
Apple+0.08%
Alphabet(グーグル)-2.35%
Microsoft-2.69%
Broadcom-2.95%
Amazon-2.97%

上がった3社には、共通点があります。Metaは新しいAIモデルを発表し、NVIDIAは決算が予想を上回り、TSMCはそのNVIDIAの半導体をつくっている会社です。いっぽう下がった側には、そうしたニュースがありませんでした。

この8社は、全部オルカンの中に入っています。上がった会社も、下がった会社も、両方です。

③ 日銀の利上げ観測 ―― 今週の円高の、直接のきっかけ

今週いちばん大きな要因は円高でした。では、その円高はどこから来たのか。今週の報道を並べると、日銀(日本銀行)をめぐる動きが中心にあります。

なぜ「利上げ」の話で円が買われるのか。金利とは、お金を預けたり貸したりしたときに付く「おまけ」のようなものです。日本の金利が上がるということは、円で持っておくと、もらえるおまけが増えるということ。だから円を買う人が増えやすくなります。

ここで大事なのは、まだ利上げは決まっていないという点です。決まったのは何もなく、「そうなりそうだ」という見方が強まっただけで、為替は4円動きました。相場は、起きたことよりも「これから起きそうなこと」に反応します。

ですから、9月17日〜18日は、オルカンを持っている人にとって覚えておいてよい日付です。結果がどうなるか、ここでは予想しません。ただ、その前後で為替が動きやすいことは、今週の値動きが示しています。

5. 来週に出ること

ひとつ、覚えておくと便利なことがあります。この記事の数字は、9月4日「までに」起きたことの一部しか映していません。

オルカンの基準価額に反映されるのは、その前の日の夜に海外で起きたことです。つまり9月4日の夜、日本が眠っているあいだに海外で動いた分は、まだこの数字に入っていません。それは月曜(9月7日)ぶんの数字に出てきます。

「今日のニュースを見て、今日の値段を説明する」――投資の話でいちばんよくある間違いが、これです。このサイトでは、その線を踏まないようにします。

この記事の数字の出どころ

ここに出した数字は、どれも公開されているものです。リンク先でそのまま確かめられます。