なぜ、日付が1日ずれるのか
このサイトの記事の下には、毎日おなじ注意書きが出ています。「日付は1日ずれています」と。読み飛ばしている方が多いと思いますが、これは投資のニュースを読むうえで、かなり大事なところです。ここでまとめて説明します。
1. 世界の株式市場は、日本が寝ているあいだに動く
まず、時間の話から。
オルカンの中身は、約95%が外国の株です。そして外国の市場が開いているのは、日本の夜から朝にかけてです。
| 日本の株式市場 | 日本時間の 朝9時 〜 午後3時半 |
|---|---|
| ヨーロッパの市場 | 日本時間の 夕方 〜 深夜 |
| アメリカの市場 | 日本時間の 夜10時半 〜 翌朝5時 |
オルカンの中でいちばん大きいのはアメリカです。つまり、オルカンの中身がもっとも激しく動いているのは、日本人が寝ている時間です。
2. だから、基準価額は「前の日の夜」を映している
投資信託の値段(基準価額)は、1日1回だけ決まります。株のように、その場でパッと変わるわけではありません。
そして、その計算に使われるのは「もう終わった市場の終値」です。まだ開いていない市場の値段は、使えません。
9月3日の夜〜4日の朝に海外で起きたこと。
だから、こうなります。
- 9月4日の夜、アメリカで大きな出来事があった
- それは9月4日の基準価額には、まだ入っていない
- 翌営業日(9月7日)の基準価額に出てくる
3. さらに、数字が出るのは「その日の夜」
もうひとつ、ずれる理由があります。基準価額の発表そのものが、後になるのです。
| その日の朝〜昼 | まだ前の日の値段しか出ていない |
|---|---|
| その日の夕方〜夜 | その日の基準価額が確定・公表される |
| 翌日の朝 | 証券会社からのメールなどで手元に届く |
このサイトも同じです。金曜の数字は、土曜の朝に出ます。だから土曜・日曜・月曜と、金曜ぶんの記事が3日間トップに出続けます。月曜の数字は、火曜の朝まで出ません。
4. まとめると、二重にずれている
② その数字が手元に届くのは「翌朝」
この2つが重なるので、私たちが今日見ている数字は、実際にはもう少し前に起きたことの結果です。
5. ここがいちばん大事 ―― よくある間違い
投資の話でいちばんよく見かける間違いが、これです。
――このサイトが扱っている投資信託については、この書き方は正しくありません。
今日のニュースは、まだ今日の基準価額に入っていません。入るのは翌営業日です。
それでも、こういう説明はよく見かけます。なぜかというと、あとから理由をつけるのは、とても簡単だからです。下がった日には下がった理由が、上がった日には上がった理由が、いくらでも見つかります。時間の順番が合っているかどうかは、たいてい確かめられていません。
6. では、どう読めばいいのか
ここでも「こうすべきです」とは書きません。ただ、時間の順番を確かめる癖がつくと、記事の読み方が変わります。
- 「いつ起きたこと」が「いつの数字」に入るのかを、まず確かめる
- 投資信託の数字を見るときは、1日前の海外市場を思い出す
- 今日のニュースの結果は、明日以降の数字に出る
このサイトが毎日おなじ注意書きを出しているのは、自分がその間違いを踏まないためでもあります。書いている側も、油断すると同じ穴に落ちます。
数字は、いつも少し過去のものです。それを知っておくだけで、慌てることが少し減ると思います。