オルカンの中身は、実際に何が入っているのか
「全世界株式」という名前です。世界中に、平等に分けているように聞こえます。では実際に、何がどれだけ入っているのでしょうか。これは公表されている数字なので、想像しなくても分かります。そのまま並べてみます。
1. 国ごとの比率を、そのまま並べる
2026年9月30日時点の中身です。
| アメリカ | 63.4% |
|---|---|
| 日本 | 5.2% |
| 台湾 | 3.3% |
| イギリス | 3.0% |
| カナダ | 2.9% |
| 韓国 | 2.5% |
| フランス | 1.9% |
| スイス | 1.9% |
| ドイツ | 1.8% |
| オーストラリア | 1.3% |
| この10か国で | 87.2% |
オルカンが投資しているのは、およそ50か国です。そのうち10か国で、8割7分になります。残りのおよそ40か国を全部足して、13%ほど。
ちなみに日本は5.2%です。だから残りの約95%が外国の株ということになります。このサイトが毎日、為替の影響を「×95%」で計算しているのは、この数字からきています。
2. なぜアメリカが6割なのか
ここがいちばん誤解されやすいところだと思います。誰かが「アメリカを多めにしよう」と決めたわけではありません。
オルカンは、国の数で分けていません。会社の大きさで分けています。
会社の大きさをあらわす数字を時価総額といいます。株価に株の数をかけたもので、「その会社にどれだけのお金が集まっているか」を表します。
会社が大きい国ほど、たくさん入ります。
アメリカには、世界でとくに大きな会社がたくさんあります。だから合計すると6割を超える。これは決めごとではなく、計算の結果です。
もうひとつ大事なことがあります。オルカンは、自分で会社を選んでいません。ACWIという世界共通の目安(ベンチマーク)があって、その中身にできるだけ近づけているだけです。
つまり、こうなります。
- アメリカの会社が大きくなれば、ほうっておいてもアメリカの比率が上がる
- ほかの国の会社が大きくなれば、ほうっておいてもその国の比率が上がる
- だから比率は、毎月すこしずつ変わっていく
中身は固定されていません。世界のほうが動けば、中身も動きます。
3. 会社の名前でも見てみる
国だけでなく、会社の名前でも公表されています。
| NVIDIA(米) | 5.0% |
|---|---|
| Apple(米) | 4.6% |
| Microsoft(米) | 3.4% |
| Amazon(米) | 2.3% |
| TSMC(台湾) | 1.8% |
| Alphabet(グーグル・米)A | 1.7% |
| Alphabet(グーグル・米)C | 1.7% |
| Meta(フェイスブック・米) | 1.5% |
| Broadcom(米) | 1.5% |
| Micron(米) | 1.1% |
| この10社で | 24.6% |
オルカンが持っている株は、2,359銘柄あります(銘柄=株の種類。グーグルのように1社で2種類ある会社もあるので、会社の数はこれより少しだけ少なくなります)。それだけの数に分けているのに、上の10社だけで約4分の1です。
いくつか気づくことがあります。
- 10社のうち9社がアメリカの会社(残り1社は台湾のTSMC)
- グーグル(Alphabet)が2回出てくる。これは同じ会社の株が2種類あるからで、合わせると3.4%になります
- ほとんどが、パソコン・スマホ・AIに関係する会社
4. これが実際に起きた日 ―― 2026年9月8日
ちょうど直前に、分かりやすい日がありました。
9月7日(月)、アメリカの市場は休みでした。レイバーデーという祝日です。いっぽうで、日本とヨーロッパの市場は開いていました。
その翌日、このサイトの記事はこうなりました。
| 世界の株(ACWI) | 0.00% =新しい値が無い |
|---|---|
| 為替(ドル円) | -1.42% |
| 実際の動き | -1.24% |
日本もヨーロッパも動いていたのに、「世界の株」の欄は0.00%になりました。
理由をはっきり分けて書きます。このサイトが目安に使っている数字が、アメリカで取引されているものだからです。アメリカが休みだと、新しい値が出ません。だから前の日と同じ値になり、差が0になります。
「測るための数字が、その日は更新されなかった」という意味です。この2つは、まったく別のことです。
それでも基準価額は471円下がりました。動かしたのは為替です。そして日本やヨーロッパの動きは、上の表には入っていません。だからこのサイトは、その日の「説明しきれなかった分」を+0.19%として、消さずに出しました。
この日から分かることは、ひとつです。「全世界」と書いてあっても、アメリカの市場の予定表が、数字の出かたを決めている。
5. 「分散」という言葉について
オルカンはよく「分散されている」と言われます。2,359銘柄に分けているのは、まちがいなく事実です。1社の株を買って、その会社がつぶれたら終わりですが、オルカンでは1社が消えても全体の1%も動きません。
ただし、「世界に均等に分散している」ではありません。
| 正しい | 2,359銘柄に分けている |
|---|---|
| 正しくない | 世界の国に均等に分けている |
比率が大きいぶん、影響も大きくなります。アメリカの株が大きく下がった日は、オルカンも下がりやすい。これはしくみからそうなります。
ここでも「だからこうすべき」とは書きません。良い形だとも、悪い形だとも書きません。ただ「そういう形をしている」ということは、買う前に知っておいたほうがいいと思います。「全世界」と書いてあるのだから、世界に均等なのだろう――名前だけを見ると、そう読めます。実際はちがいました。
6. まとめ
- 国別でアメリカ63.4%。上位10か国で87.2%(2026年9月30日時点)
- 分け方は国の数ではなく、会社の大きさ(時価総額)。誰かが決めたのではなく計算の結果
- だから比率は毎月すこしずつ動く。中身は固定ではない
- 持っているのは2,359銘柄。でも上位10社で約4分の1
- 日本は5.2%。だから約95%が外国の株=為替の影響を受ける
- 「分散している」は事実。「世界に均等」はちがう
この記事の数字は、すべて運用会社が毎月公表しているものです。自分で確かめられます。下のリンクから見られるので、来月また変わっているかどうか、見てみるのもいいと思います。
ほかの「基本のき」
- 投資とは何か ―― 同じ1万円を、預金とオルカンで約8年読む →
- 毎日見ている「株式会社」――その株式って、なに?読む →
- 投資信託とは何か ―― 1万円でオルカンを買うと、何を持つことになるのか読む →
- オルカンとは何か ―― 名前、運用会社、めざすもの、中の3つの親ファンド読む →
- 買うまでに何があるか ―― 口座、申し込み、値段が決まる日、お金が届く日読む →
- 基準価額って、そもそも何の値段なのか読む →
- 業種で見るオルカン ―― 半導体が1割下がった週、オルカンは読む →
- 指数とは何か ―― オルカンが合わせている「ものさし」読む →
- ETFと投資信託 ―― どこが同じで、どこが違うのか読む →
- リスクとリターン ―― 投資の「リスク」は、損をする危険のことではない読む →
- 分散とは何か ―― 1社だけ持っていたら、ぶれはどうだったか読む →
- 過去、どれくらい下がったことがあるのか読む →
- 何年持ったら、どうだったか ―― 買った日を1日ずつずらして数えた、オルカンの約8年読む →
- 信託報酬 ―― 請求書が来ないのに、毎日引かれているお金読む →
- 分配金を出さない、ということ ―― 利益が利益を生むしくみ読む →
- 毎月おなじ額で買うと、本当に有利なのか読む →
- NISAは何をしてくれて、何をしてくれないのか読む →
- 純資産総額とは何か ―― 値上がりで増えた分と、新しく入ってきたお金の分読む →
- なぜ、日付が1日ずれるのか読む →
- 円高・円安は、外国の株を持つ人に何をするのか読む →
- 「説明しきれなかった分」とは何か ―― 合わない分を、消さずに出している理由読む →
- 休みの日、オルカンはどうなるのか ―― 値段が出ない日、売り買いできない日読む →
- 金利が動くと、なぜお金の値打ちが変わるのか読む →
- 金利が上がったのに、なぜ円が安くなったのか読む →
- アメリカの10年金利とオルカン ―― 金利が上がる日、円で持つと何が起きてきたか読む →
- 恐怖指数(VIX)とは何か ―― こわさではなく「揺れの大きさ」の数字読む →
- 日経平均とオルカン ―― 日本の株価のニュースは、どれだけ効くのか読む →
- 原油とオルカン ―― 原油が上がる日、オルカンはどっちに動いてきたか読む →