上の帯=オルカンが投資している国/下の帯=そこを通じて持っている会社の例

← 基本のき 一覧へ

基本のき 6

オルカンの中身は、実際に何が入っているのか

「全世界株式」という名前です。世界中に、平等に分けているように聞こえます。では実際に、何がどれだけ入っているのでしょうか。これは公表されている数字なので、想像しなくても分かります。そのまま並べてみます。

1. 国ごとの比率を、そのまま並べる

2026年8月31日時点の中身です。

アメリカ62.8%
日本5.0%
台湾3.2%
イギリス3.1%
カナダ3.0%
韓国2.4%
フランス2.0%
スイス2.0%
ドイツ1.9%
オーストラリア1.4%
この10か国で86.8%

オルカンが投資しているのは、およそ50か国です。そのうち10か国で、8割7分になります。残りのおよそ40か国を全部足して、13%ほど。

「全世界」ですが、3分の2はアメリカです。

ちなみに日本は5.0%です。だから残りの約95%が外国の株ということになります。このサイトが毎日、為替の影響を「×95%」で計算しているのは、この数字からきています。

2026年8月31日時点の全世界株式の国別構成。円の面積でアメリカ62.8%、日本5.0%、そのほかの国を示す。世界の国に均等ではなく、アメリカが大きな割合を占める。日本以外は約95%で、為替の影響を受ける。
アメリカ62.8%、日本5.0%。国の数が多くても、同じ割合で分けているわけではありません。

2. なぜアメリカが6割なのか

ここがいちばん誤解されやすいところだと思います。誰かが「アメリカを多めにしよう」と決めたわけではありません。

オルカンは、国の数で分けていません。会社の大きさで分けています。

会社の大きさをあらわす数字を時価総額といいます。株価に株の数をかけたもので、「その会社にどれだけのお金が集まっているか」を表します。

1国=1票ではありません。
会社が大きい国ほど、たくさん入ります。

アメリカには、世界でとくに大きな会社がたくさんあります。だから合計すると6割を超える。これは決めごとではなく、計算の結果です。

会社の大きさで割合を決める仕組みの模式図。会社の大きさは時価総額で、株価に株の数をかけたもの。時価総額が大きい会社は大きな割合、小さい会社は小さな割合を占める。大きな会社が多い国ほど、国の割合も大きい。図の面積は実際の比率ではない。
会社の大きさを、入る割合に反映する仕組みです。面積は実際の比率を示していません。

もうひとつ大事なことがあります。オルカンは、自分で会社を選んでいません。ACWIという世界共通の目安(ベンチマーク)があって、その中身にできるだけ近づけているだけです。

つまり、こうなります。

中身は固定されていません。世界のほうが動けば、中身も動きます。

3. 会社の名前でも見てみる

国だけでなく、会社の名前でも公表されています。

NVIDIA(米)4.7%
Apple(米)4.4%
Microsoft(米)3.4%
Amazon(米)2.4%
Alphabet(グーグル・米)A1.8%
TSMC(台湾)1.8%
Alphabet(グーグル・米)C1.6%
Broadcom(米)1.6%
Meta(フェイスブック・米)1.2%
Micron(米)1.0%
この10社で23.9%

オルカンが持っている会社は、2,409社あります。それだけの数に分けているのに、上の10社だけで約4分の1です。

いくつか気づくことがあります。

4. これが実際に起きた日 ―― 2026年9月8日

ちょうど直前に、分かりやすい日がありました。

9月7日(月)、アメリカの市場は休みでした。レイバーデーという祝日です。いっぽうで、日本とヨーロッパの市場は開いていました。

その翌日、このサイトの記事はこうなりました。

世界の株(ACWI)0.00%
=新しい値が無い
為替(ドル円)-1.42%
実際の動き-1.24%

日本もヨーロッパも動いていたのに、「世界の株」の欄は0.00%になりました。

理由をはっきり分けて書きます。このサイトが目安に使っている数字が、アメリカで取引されているものだからです。アメリカが休みだと、新しい値が出ません。だから前の日と同じ値になり、差が0になります。

つまりこれは「世界の株が動かなかった」という意味ではありません。
「測るための数字が、その日は更新されなかった」という意味です。この2つは、まったく別のことです。

それでも基準価額471円下がりました。動かしたのは為替です。そして日本やヨーロッパの動きは、上の表には入っていません。だからこのサイトは、その日の「説明しきれなかった分」を+0.19%として、消さずに出しました。

この日から分かることは、ひとつです。「全世界」と書いてあっても、アメリカの市場の予定表が、数字の出かたを決めている。

2026年9月7日、アメリカの市場は休みで新しい値が出ず、翌9月8日のサイトの「世界の株」は前の日と同じ値で0.00%と表示された。日本とヨーロッパは取引があったが、その動きはこの欄に入っていない。ゼロは更新がなかったという意味で、世界の株が動かなかったという意味ではない。この日の基準価額は471円、-1.24%下がった。
0.00%は、このサイトが使う目安に新しい値がなかったための表示です。世界の市場すべてが止まっていたわけではありません。

5. 「分散」という言葉について

オルカンはよく「分散されている」と言われます。2,409社に分けているのは、まちがいなく事実です。1社の株を買って、その会社がつぶれたら終わりですが、オルカンでは1社が消えても全体の1%も動きません。

ただし、「世界に均等に分散している」ではありません。

正しい2,409社に分けている
正しくない世界の国に均等に分けている

比率が大きいぶん、影響も大きくなります。アメリカの株が大きく下がった日は、オルカンも下がりやすい。これはしくみからそうなります。

ここでも「だからこうすべき」とは書きません。良い形だとも、悪い形だとも書きません。ただ「そういう形をしている」ということは、買う前に知っておいたほうがいいと思います。けんが最初に思ったのは、「全世界って書いてあるから、世界に均等なんだろう」でした。実際はちがいました。

6. まとめ

この記事の数字は、すべて運用会社が毎月公表しているものです。自分で確かめられます。下のリンクから見られるので、来月また変わっているかどうか、見てみるのもいいと思います。

数字の出どころ
三菱UFJアセットマネジメント eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
同 月次レポート(2026年8月31日基準)

ほかの「基本のき」