上の帯=オルカンが投資している国/下の帯=そこを通じて持っている会社の例

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基本のき 9

信託報酬 ―― 請求書が来ないのに、毎日引かれているお金

投資信託には手数料がかかります。でも、オルカンを持っていても請求書は来ません。証券会社の明細にも出てきません。では払っていないのかというと、そうではありません。毎日の値段から、すでに引かれているからです。いくら引かれているのか、どうやって引かれているのかを、公表されている数字で確かめます。

1. かかる費用は、ひとつだけ

オルカンの費用は、運用会社が公表しています。

買うときの手数料ありません
売るときの費用(信託財産留保額)ありません
持っているあいだの費用(信託報酬)年率0.05775%(税抜 年率0.0525%)以内

買うときも売るときも、費用はゼロです。かかるのは持っているあいだだけ。それが信託報酬です。

正式には運用管理費用といいます。運用する会社・お金を管理する会社・売っている会社の、3つで分ける取り分です。

2. 0.05775%は、いくらなのか

%のままでは分かりにくいので、円に直します。

1万円ぶん持っていたら1年で 約5.8円
10万円ぶん持っていたら1年で 約58円
100万円ぶん持っていたら1年で 約578円

100万円ぶんを1日にすると、1.6円ほどです。

100万円ぶん持っていて、1日あたり約1.6円。
自動販売機の飲み物1本ぶんで、2か月以上になります。

※説明のための概算です。実際は日々の残高に対してかかるので、値段が動けば金額も変わります。

100万円ぶんの投資信託の書類を抱える人と、年間・1日あたりの費用を示すカレンダーを指して説明する人。1年約578円、1日約1.6円、年率0.05775%(税込)以内と表示。金額は概算。
100万円ぶんを持っている場合の概算です。1年と1日で、同じ費用の大きさを見ています。

3. どうやって引かれているのか ―― 請求は来ない

ここが、いちばん知っておいたほうがいいところです。

運用会社の資料には、こう書いてあります。

「日々の純資産総額に対して、年率0.05775%以内をかけた額」
「基準価額は、運用管理費用(信託報酬)控除後の値です」

つまり、こういうことです。

請求書が来ないのは、払っていないからではありません。
「すでに引かれた値段」しか見えない仕組みになっているからです。

これは隠しているという意味ではありません。資料にはっきり書いてあります。ただ、見ようとしないと見えない、という形になっています。

投資家たちの共同のお金が入ったファンド全体の箱から、係の人が小さな信託報酬の箱へ硬貨を取り分ける。右の利用者は差引後の基準価額を表示した端末を持ち、そばの請求書には取り消し線。毎日ファンドから費用が引かれ、別途請求は来ない仕組み。
信託報酬は毎日ファンド全体から引かれます。私たちが見る基準価額は、すでに差し引いたあとの値段です。

4. このサイトの「説明しきれなかった分」との関係

このサイトは毎日、値動きを分解して、最後に「説明しきれなかった分」を出しています。信託報酬は、その差のなかに入っています。

では、差のうちどれくらいを占めているのでしょうか。1日あたりに直してみます。

信託報酬(1日あたり)約 0.000158%
このサイトの「説明しきれなかった分」だいたい 0.1%〜0.3%

けた違いに小さいことが分かります。600分の1から1900分の1くらいです。

毎日の「説明しきれなかった分」は、
ほとんどが手数料ではありません。

では何なのかというと、オルカンの中身が指数と完全には同じでないこと、為替を当てはめる時刻が厳密には違うことのほうが大きい、ということになります。手数料を差の犯人にはできません。

5. ファンド全体だと、いくらになるのか

最後に、規模の話をひとつ。

純資産総額(2026年9月25日)14兆145億円
× 年率0.05775%1年で 約80.9億円

大きな数字に見えます。ただ、これは「高い」という意味ではありません。

むしろ逆のことが起きています。集まっているお金が大きいほど、ひとりあたりの割合を下げられます。同じ運用の手間を、大勢で分けているからです。

14兆円という数字と、0.05775%という数字は、つながっています。

書類と硬貨を持つ8人の投資家が、ひとつの机で書類を確認する運用担当者を囲む。同じ運用の手間を大勢で分ける場面。下にファンド全体は1年で約80.9億円、ひとりあたりは年率0.05775%(税込)以内と表示。金額は記事の概算。
ファンド全体の金額と、ひとりあたりにかかる割合を分けて見ます。運用の手間を大勢で分ける仕組みです。

6. まとめ

ここでも「だからこうすべき」とは書きません。安いとも高いとも書きません。ただ、自分が何をいくら払っているかは、請求書が来なくても確かめられます。上のリンクから、誰でも見られる資料です。

数字の出どころ
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)月次レポート・ファンドの費用(2026年8月31日基準)
・三菱UFJアセットマネジメント ファンドのページ
・純資産総額:このサイトの2026年9月25日の記録

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