上の帯=オルカンが投資している国/下の帯=そこを通じて持っている会社の例

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基本のき 12

NISAは何をしてくれて、何をしてくれないのか

NISAは「もうけに税金がかからない」制度です。「使わないと損」とよく言われます。このサイトは、使えとも使うなとも書きません。そのかわり、NISAが何をしてくれて、何をしてくれないのかを、金融庁の資料で確かめて並べます。あまり書かれない裏側もあります。

1. ふつうの口座だと、もうけに約20%の税金がかかる

投資でもうけが出ると、ふつうはそのもうけに約20%の税金がかかります。

このサイトの毎月おなじ額で買う記事で計算した例を使います。オルカンを設定日から毎月1万円ずつ買った場合です。

出したお金の合計960,000円
2026年9月28日時点の金額2,260,841円
もうけ1,300,841円
ふつうの口座で売ったときの税金(約20%)約26万円

※説明のための概算です。実際の税率は20.315%(復興特別所得税を含む)です。

NISAの口座なら、この約26万円がかかりません。これがNISAのいちばん大きな役目です。

ふつうの口座とNISAを左右で比較。左の人はもうけを表すコイン5枚のうち1枚を税金の箱に分け、手元に4枚を持つ。吹き出しは「もうけに約20%」。右の人は5枚を持ち、税金の箱には「かからない」。下に「税金の話。もうけを保証する制度ではない」。コインは仕組みを表す記号。
もうけにかかる税金の違いです。コインは金額ではなく、税金を分ける仕組みを表しています。

2. 2024年からの制度

金融庁の資料をそのまま並べます。

使える人その年の1月1日時点で18歳以上で、日本に住んでいる人
つみたて投資枠1年に120万円まで
成長投資枠1年に240万円まで
2つの枠いっしょに使える(合わせて1年に360万円まで)
一生で使える上限1,800万円(そのうち成長投資枠は1,200万円まで)
税金がかからない期間ずっと(期限なし)
制度そのものずっと続く(恒久化)

2023年までのNISAは、税金がかからない期間が5年(一般NISA)や20年(つみたてNISA)と決まっていました。2024年からは、その期限がなくなりました。

3. オルカンは、どちらの枠で買えるのか

つみたて投資枠で買えるのは、長く積み立てるのに向いていると国が決めた投資信託だけです。その目安のひとつが「どの指数に連動しているか」です。

金融庁の資料の、つみたて投資枠の対象になる指数の一覧に、「MSCI ACWI Index」が入っています。オルカンが目標にしている指数です。

オルカンは、つみたて投資枠で買えます。
成長投資枠でも買えます。

4. 売ったら、枠はどうなるのか

NISAで買ったものを売ると、次の年から、その分の枠が戻ってきます。また使えます。

ただし、戻るのは「売った金額」ではなく「買ったときの金額」です。

100万円で買った
値上がりして150万円で売った
次の年に戻ってくる枠100万円(150万円ではない)

もうけの50万円は、税金がかからずに手元に入ります。でも枠として戻るのは、元の100万円だけです。

5. ★あまり書かれない裏側 ―― 損も、税金の上では「なかったこと」になる

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。

NISAの口座の中のもうけや損は、税金の上では「なかったもの」として扱われます。

もうけが「なかったもの」になるので、税金がかからない。
そして、損も税金の上では「なかったもの」になる。
お金の損が消えるわけではありません。財布からはちゃんと減っています。税金を減らす計算に使えない、ということです。

ふつうの口座なら、損が出たとき、その損をほかの口座のもうけと差し引いて税金を減らせます。次の年から3年間、持ち越すこともできます。

NISAでは、それがどちらもできません。

ふつうの口座 / NISA
もうけが出たとき約20%かかる / かからない
損が出たときほかのもうけと差し引ける・3年持ち越せる / どちらもできない

つまり、NISAが助けてくれるのは、もうけが出たときだけです。損が出たときには、何も助けてくれません。

「NISAは得しかない」わけではありません。過去に10%以上下がったことが7回あるのは、NISAの中でも外でも同じです。

NISAで損をした人が、コインの少ない財布を開き「お金の損は残る」と話す。右では説明役が、青い「NISAの損」の書類を赤い「ほかのもうけ」の書類と差し引けないこと、カレンダーの「3年間」へ持ち越せないことを、それぞれ×印で示す。下に「損は消えない。税金を減らす計算には使えない」。
お金の損失は残ります。NISAの損は、ほかのもうけとの相殺にも、翌年以降への繰越しにも使えません。

6. 2023年までのNISAで買ったもの

2023年までのNISA(一般NISA・つみたてNISA)で買ったものは、いまのNISAとは別の枠で管理されています。いまのNISAに移すことはできません。税金がかからない期間も、前のルールのままです。

一般NISA買った年から5年
つみたてNISA買った年から20年

たとえば、2022年に一般NISAで買ったものは、5年後の2026年12月末で、税金がかからない期間が終わります。

7. これから変わる予定のこと

2025年12月に出た税制改正の方針(大綱)で、2027年から、0〜17歳でもつみたて投資枠が使えるようにすることが示されました。

0〜17歳(予定)1年に60万円まで / 上限600万円 / 12歳以降は本人の同意があれば引き出せる
これは2027年からの予定です。
2026年10月の時点では、まだ始まっていません。

8. では、どうすればいいのか

ここでも「こうすべき」とは書きません。使ったほうがいいとも、使わなくていいとも書きません。

書けるのは、NISAは「もうけに税金をかけない」制度であって、「もうけを出してくれる」制度ではない、ということです。中で何を買って、それがどう動くかは、NISAとは関係ありません。オルカンの値段は、NISAの中でも外でも同じように上がって、同じように下がります。

ふつうの口座の女性とNISAの男性が、同じ投資信託の証書を持っている。両側とも、赤い値上がりの欄に3枚、青い値下がりの欄に1枚のコインが同じように描かれている。「同じ商品なら、値動きも同じ」「NISAは、もうけを出してくれる制度ではない」「もうけに税金をかけない制度」と説明。コインは値動きを表す記号。
同じ投資信託の値動きは、口座の種類では変わりません。コインは値上がり・値下がりを表す記号です。

9. まとめ

数字の出どころ
・金融庁 NISA特設ウェブサイト(2024年からのNISA)
・金融庁 令和8(2026)年度税制改正について(2025年12月)(0〜17歳の枠・つみたて投資枠の対象指数)
・日本証券業協会 NISAのよくある質問(損益通算・繰越控除ができないこと)
・計算の例:このサイトの「毎月おなじ額で買うと、本当に有利なのか」

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