上の帯=オルカンが投資している国/下の帯=そこを通じて持っている会社の例

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基本のき 14

ETFと投資信託 ―― どこが同じで、どこが違うのか

このサイトは、毎日の「世界の株」の数字にETFの値段を使っています。オルカンは投資信託です。どちらも「たくさんの株をまとめて持つ入れ物」ですが、買い方も、売り方も、値段のつき方も、通貨も違います。どこが同じで、どこが違うのかを、公表されている資料と記録で並べます。

1. まず、同じところ

ETFは、日本語で「上場投資信託」といいます。名前のとおり、ETFも投資信託の一種です。

同じところは2つあります。

日本取引所グループの比較表でも、リスクの欄は、ETFが「多数の銘柄に投資することにより、個別銘柄にかかわるリスクは分散される」、通常の投資信託が「左に同じ」と書かれています。

このサイトが使っているETF(名前は「ACWI」)と、オルカンは、追いかけている指数の系列も同じです。どちらも、世界の先進国と新興国の株をまとめたMSCIの指数です。

2. 違い① ―― どこで、だれから買うか

「上場」というのは、取引所で売り買いできるようにしてあるという意味です。

ETF証券会社を通して、取引所で買う(株と同じ)
ふつうの投資信託あつかっている証券会社や銀行(販売会社)に申し込む

買う場所が違うと、だれから買うのかも違ってきます。

日本取引所グループの表では、ETFは「全銘柄全国の証券会社どこでも購入可能」、通常の投資信託は「特定の取扱証券会社、銀行」となっています。

買う相手と売る相手を、ETFとふつうの投資信託の四つの場面で比較。左上は投資家が証券会社を通し、取引所で持っている人からETFを買う。左下は買いたい人にETFを売る。右上は販売会社へ申し込む人と、口数が増えるファンド。右下は換金を申し込み、ファンドからお金を受け取る人。札や財布は仕組みを表す記号。
ETFは取引所で相手と売買し、ふつうの投資信託は販売会社へ購入や換金を申し込みます。下段は6章の売り方も表しています。

3. 違い② ―― 値段のつき方

ここがいちばん大きな違いです。

ETFの値段は、取引所が開いているあいだ、売り買いが成り立つたびに変わります。買いたい人と売りたい人の注文で、そのつど値段が決まります。

ふつうの投資信託の値段(基準価額)は、1日に1つだけです。

実際の記録で見ます。

ETF「ACWI」
2026年9月29日(アメリカの取引所)
いちばん高い 159.89ドル
いちばん安い 158.84ドル
終わりの値 159.46ドル
オルカン
2026年9月30日
基準価額 37,791円(1万口あたり)
(この1つだけ)

ETFは、1日のなかで159.89ドルで買った人も、158.84ドルで買った人もいます。オルカンは、同じ日の基準価額が当てはまる人は、全員おなじ値段です。(申し込んだ日と、値段が決まる日は違います。すぐ下に書きます)

もう1つ違いがあります。ETFは動いている値段を見ながら注文できます(見た値段で必ず買えるとは限りません。相手の注文があって、はじめて成り立ちます)。「この値段なら買う」と値段を決めて出す注文(指値)もできます。投資信託は、注文するときには、まだ値段が決まっていません。日本取引所グループの表には「基準価格がわからない状況で購入・換金」と書かれています。この仕組みはなぜ日付が1日ずれるのかで書きました。

オルカンの場合、買うときの値段は「申し込んだ日の、次の営業日の基準価額」と決められています。その日の申し込みの締め切りは、原則として午後3時30分です(販売会社によって違うことがあります)。

4. 違い③ ―― いくらから買えるか

ETFは、基本は「口」という数で買います。「1口」「10口」のように、ETFごとに売り買いの単位が決まっています。だから、買うのに必要なお金は「その時の値段 × 単位」になります(これは商品の代金です。売り買いの手数料は、別にかかることがあります)。

日本取引所グループは、こういう例をあげています。値段が1,000円で、単位が10口のETFなら、1,000円 × 10口 = 1万円が、買うのに必要ないちばん小さい金額です。

ETF「ACWI」は、2026年9月29日の終わりの値が1口159.46ドルでした。

ふつうの投資信託は、決め方が違います。オルカンの買う単位は「販売会社が定める単位」とされています。販売会社が決めるのは「いくらから買えるか」だけで、値段ではありません。値段(基準価額)は、どの販売会社で買っても同じです。販売会社の中には、「いくらぶん買う」と金額を決めて買えるようにしているところがあります(いくらから買えるかは、販売会社によって違います)。

ETF基本は口数で買う
必要なお金 = 値段 × 単位
金額を決めて買えるサービスを出している会社もある
ふつうの投資信託いくらから買えるかは販売会社によって違う
金額を決めて買える会社がある
値段(基準価額)はどこで買っても同じ

ただし、ETFを金額を決めて買えるサービスを出している証券会社もあります(2026年3月に発表された例があります)。取引所の決まりは「口数で売り買いする」で、その上に証券会社がサービスを足している形です。

購入単位を比べる解説イラスト。左の人はETFの札を指さす。例として1口1,000円、売買単位10口の札を5枚ずつ2段に並べ、1,000円×10口=1万円と表示。商品の代金の例で、手数料は別。右の人は財布を持ち、販売会社で購入金額を指定して申し込む。最低金額は販売会社によって違い、ETFにも金額指定のサービスがあると説明。
左の金額は本文の仮の例で、ACWIの価格ではありません。購入単位や金額指定のサービスは商品・販売会社によって異なります。

5. 違い④ ―― どの通貨で買うか

この2つでは、値段がついている通貨が違います。

つまり、どちらも為替の影響は受けます。違うのは、お金を替えるのが、買う側(買う人や、その人が使う証券会社)なのか、ファンドの中なのかです。

なお、ETFならすべてドル、というわけではありません。東京の取引所にも、同じMSCI ACWIの指数に連動するETFが上場していて、こちらは円で売り買いします。日本取引所グループの銘柄一覧にのっています。

ACWIとオルカンの通貨を、同じ大きさの二つの面で比較。左ではドル記号の硬貨が入った財布を持つ女性が証券会社の担当者と向き合い、円からドルへと説明。右では円記号の硬貨が入った財布を持つ男性が販売会社で申し込む。下段には世界の株を表す地球と株の札、オルカンの中で円を外貨に替える担当者を描く。どちらも為替の影響を受けると明記。
ACWIとオルカンという、この2つの例です。円で申し込むオルカンも為替の影響を受けます。硬貨の数は金額や交換比率を表しません。

6. 違い⑤ ―― どう売るか

売るときも、仕組みが違います。

ETFは、取引所で、買いたい人に売ります。値段は、売ったその時の値段です。買いたい人がいて、はじめて売れます。お金の受け渡しがいつになるかは、取引所ごとに決まりがあります。たとえば東京の取引所では、ふつうの株と同じで「取引日から起算して3日目」とされています(これは東京の決まりで、アメリカに上場しているETF「ACWI」の決まりではありません)。

ふつうの投資信託は、販売会社に「換金」を申し込みます。買いたい人を探すのではなく、そのときの基準価額で計算したお金を、ファンドから受け取る形です(最初に払った金額が、そのまま戻るわけではありません)。オルカンでは、こう決められています。

売るときの値段申し込んだ日の、次の営業日の基準価額
お金が支払われる日原則、申し込んだ日から数えて6営業日目から
買うときの手数料なし
売るときに引かれるお金(信託財産留保額)なし

オルカンには、申し込みができない日もあります。ニューヨーク、ロンドン、香港の取引所や銀行が休みの日です。

売るときも、買うときと同じで、ETFは動いている値段を見ながら注文を出せる。投資信託は、売ると決めた時点では値段がまだ分かりません。

7. 違い⑥ ―― 配当をどうするか

中に入っている会社は、配当を出します。それをどうするかが、この2つでは違いました。

ETF「ACWI」
2018年10月31日〜2026年9月30日
持っている人に18回配った
合計 1口あたり14.248ドル
オルカン
同じ期間
決算8回、分配金はすべて0円

ETF「ACWI」の運用会社のページには、配る回数は「年2回」と書かれています。記録では、年末に少額の追加が2回あり、合わせて18回でした。

オルカンは配らずに、中でもう一度株を買っています。これは分配金を出さない設計で書きました。

これは「この2つ」の記録です。すべてのETFが配り、すべての投資信託が配らない、という意味ではありません。日本取引所グループも、ETFの分配金について「必ずしも支払われるものではありません」と説明しています。

8. 違い⑦ ―― 費用

日本取引所グループの比較表には、ETFの信託報酬は「通常の投資信託より一般的に安い」と書かれています(2017年8月時点の集計として、ETFは0.060%〜0.950%、インデックス型の投資信託は0.100%〜1.650%)。

では、この2つではどうか。それぞれの運用会社が公表している数字を並べます(2026年10月1日に確認)。

ETF「ACWI」年0.32%
オルカン年0.05775%

この2つでは、投資信託であるオルカンのほうが低くなっています。「ETFのほうが安い」は一般的な傾向として書かれていることで、1つずつ見ると当てはまらない組み合わせもある、ということです。

なお、ここに並べたのは信託報酬だけです。売り買いのときに証券会社に払う手数料などは、買う場所によって違うので、ここでは比べていません。オルカンの費用は信託報酬で書きました。

9. 並べると、こうなる

 ETF「ACWI」 / オルカン
種類上場している投資信託 / 上場していない投資信託
買う場所取引所 / 証券会社や銀行
だれから買うか持っている人から / 口数が新しく増える
値段取引中に変わる / 1日に1つ
買う単位基本は口数 / いくらから買えるかは販売会社による
通貨ドル / 円
売り方取引所で買いたい人に売る / 換金を申し込む
配当18回配った / 配っていない(0円)
信託報酬年0.32% / 年0.05775%

10. どちらがいいのか

どちらがいい、とは書きません。仕組みが違うだけで、優劣ではないからです。分かったことだけを並べます。

11. まとめ

ETFと投資信託は、中身の考え方は同じで、入れ物のつくりが違います。このサイトが毎日の「世界の株」にETFの値段を使っているのは、指数そのものの毎日の値を自動で取る手段がなく、その指数に連動するETFの値段なら取れるからです。そしてETFの値段には配った配当が入っていないので、オルカンの動きとはその分ずれます。そのずれを8年ぶん計算したものは、指数とは何かに書きました。

数字の出どころ:ETFと投資信託の比較は日本取引所グループ「他の投資信託との違い」と同「よくあるご質問」、同「売買制度(ETF)」、同「仕組み」、同「銘柄一覧」。オルカンの買い方・売り方の決まりは月次レポートの「お申込みメモ」。金額を決めて買う例は証券会社の操作ガイドと証券会社の発表(2026年3月)。ETF「ACWI」の信託報酬・配る回数・上場先は運用会社(iShares)のページ、値段と配当の記録はYahoo Finance。オルカンの基準価額と分配金は投資信託協会の公表データです。配当の回数と合計は、このサイトが数えた値です。

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