指数とは何か ―― オルカンが合わせている「ものさし」
このサイトの毎日の表には、いちばん上に「世界の株(MSCI ACWI)」という行があります。MSCI ACWI は、指数と呼ばれるものの名前です。オルカンは、この指数と同じ動きをすることを目標にしています。(表に出している数字そのものは、指数の代わりの数字です。5章で書きます)では、指数とは何で、オルカンは実際どれくらい同じ動きをしてきたのか。公表されている記録で確かめました。
1. 指数は「ものさし」
世界には、株を売り買いできる会社が何万社もあります。1社ずつの値段を見ても、「世界の株は全体として上がったのか、下がったのか」は分かりません。
そこで、たくさんの会社の株の値段を、決まったルールでまとめて1つの数字にしたものが作られています。これが指数です。
学校でいえば、クラス全員のテストの点をまとめた「平均点」に近いものです。平均点が上がれば「クラス全体として点が上がった」と分かります。1人ずつの点は分かりませんが、全体の様子は1つの数字でつかめます。
ニュースで聞く「日経平均」も指数の1つです。指数は、何をまとめるかによって、いくつも種類があります。
2. オルカンが追いかけている指数
オルカンが目標にしている指数は、運用会社の月次レポートにこう書かれています。
長い名前ですが、分けて読むとこうなります。
- MSCI … この指数を作っている会社の名前
- オール・カントリー・ワールド … 世界の先進国と新興国の株をまとめている、という意味。頭文字をとってACWIと呼ばれます
- 配当込み … 会社が株主に配るお金(配当)も、成績に入れて数える
- 円換算ベース … ドルで計算された指数を、円に直したもの
月次レポートには、この指数は「MSCI Inc.が開発した株価指数で、世界の先進国・新興国の株式で構成されています」と説明されています。また、円に直す計算は運用会社がしているとも書かれています。
3. 指数そのものは、買えない
ここが大事なところです。指数は計算で出した数字なので、指数そのものを買うことはできません。平均点を買えないのと同じです。
そこで、指数と同じ中身になるように、実際に株を買って持つ投資信託が作られました。これをインデックスファンドといいます。オルカンはその1つです。
オルカンが自分で会社を選んでいないことは、オルカンの中身で書きました。選んでいるのは指数のルールで、オルカンはそれに合わせているだけです。
4. では、どれくらい同じに動いてきたか
目標は「指数と同じ動き」です。実際にどうだったかは、月次レポートに毎月のっています。2026年8月31日時点の数字を、そのまま並べます。
| 期間 | オルカン / 指数 |
|---|---|
| 1か月 | 3.7% / 3.8% |
| 3か月 | 3.1% / 3.2% |
| 6か月 | 12.6% / 12.7% |
| 1年 | 33.1% / 33.1% |
| 3年 | 92.0% / 91.6% |
| 設定から(2018年10月31日〜) | 289.1% / 287.4% |
どの数字も、その期間ぜんぶでどれだけ増えたかです。1年あたりの数字ではありません(「3年 92.0%」は、3年間まとめて92.0%という意味です)。
約8年で、差は1.7ポイントです。短い期間ではオルカンが0.1ポイント下、長い期間ではオルカンのほうが少し上になっています。
なお、基準価額は信託報酬を引いたあとの値です。指数のほうには、そうした費用はかかりません。
5. このサイトの「世界の株」は、指数そのものではない
ここで、このサイト自身のことを正直に書いておきます。
毎日の表にある「世界の株(MSCI ACWI)」の数字は、指数そのものではありません。使っているのは、この指数に連動するように作られた、アメリカの上場投資信託(ETF)の値段です。名前はそのまま「ACWI」といいます。
このサイトは、指数そのものの毎日の値を自動で取る手段を持っていません。ETFの値段は毎日公開されていて取れるので、その代わりに使っています。
そして、この代わりの数字にはずれがあります。大きいのは次の点です。
- 配当が入っていない。毎日の表で使っているのはETFの「値段」だけです。オルカンが追いかけているのは「配当込み」の指数です
- ETFにも費用がかかっている。ETFも指数そのものではありません
- 円に直すときの為替の値が、運用会社が使うものと同じではない。
6. そのずれは、8年でどれくらいになったか
設定日の2018年10月31日から2026年8月31日までを、このサイトと同じやり方で計算しました。使うのは、その日より前で、いちばん新しい値です(土日や休みをはさむと、2日以上前の値になります)。
| ETFの値段だけ(円に直したもの) | +237.8% |
|---|---|
| ETFに配当を足し戻したもの(円に直したもの) | +290.3% |
| 指数(月次レポートの数字) | +287.4% |
| オルカンの基準価額 | +289.1% |
計算に使った値は、ETFが67.99ドル(2018年10月30日)から161.09ドル(2026年8月28日)、ドル円が112.32円(2018年10月30日)から160.12円(2026年8月30日)、基準価額が10,000円から38,905円です。「配当を足し戻したもの」は、Yahoo Financeが出している調整後の値段を使いました。これは、受け取った配当でそのETFを買い足したとして計算し直した値段です(配当をただ足しただけの数字ではありません)。
値段だけで見ると +237.8%。オルカンは +289.1%。その差は約51ポイントあります。配当を足し戻すと +290.3% になり、オルカンとの差は約1ポイントまで縮まります。
配当を配らずに中で回していることは、分配金を出さない設計で書きました。
7. じゃあ、どう見ればいいのか
こうすべき、とは書きません。分かったことだけを並べます。
- 指数は、たくさんの株の値段をまとめた「ものさし」。それ自体は買えない
- オルカンは、その指数と同じ動きをめざす投資信託。会社を選んでいるのは指数のルール
- 記録では、設定から2026年8月31日までで、オルカン +289.1%、指数 +287.4%。ぴったり同じではない
- このサイトの「世界の株」は、指数の代わりにETFの値段を使っている。配当が入っていないぶん、ずれる
これは過去の記録です。これから先も同じように動くかどうかは、この数字からは分かりません。
8. まとめ
指数は、世界の株を1つの数字で見るための「ものさし」です。オルカンはそのものさしに合わせて作られていて、約8年の記録では、差は1.7ポイントでした。そしてこのサイトが毎日出している「世界の株」は、そのものさしの代わりの数字で、配当が入っていないことなどから、本物とはずれています。
数字の出どころ:オルカンと指数の成績・指数の説明は三菱UFJアセットマネジメントの月次レポート(作成基準日 2026年8月31日)。基準価額は投資信託協会の公表データ。ETFの値段とドル円はYahoo Financeの日足です。6章の +237.8% と +290.3% は、このサイトが計算した値です。
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