上の帯=オルカンが投資している国/下の帯=そこを通じて持っている会社の例

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基本のき 15

「説明しきれなかった分」とは何か ―― 合わない分を、消さずに出している理由

このサイトの毎日の表には、最後に「説明しきれなかった分」という行があります。2026年10月1日は+0.51%でした。株と為替を足した答えと、実際の動きが合わなかった分です。これは計算まちがいなのか、よくあることなのか。設定からの全部の日で同じ計算をして、確かめました。

1. 「説明しきれなかった分」は、引き算の残り

オルカンの値段は、おもに2つのことで動きます。世界の株が動いたかと、為替が動いたかです。このサイトは、その2つを毎日並べています。

2026年10月1日は、こうでした。

世界の株-0.43%
為替+0.09%
この2つで説明できる分-0.34%
実際の動き+0.17%

2つを足すと -0.34%。でも実際は +0.17% でした。その差の +0.51% が「説明しきれなかった分」です。

つまりこれは、「実際の動き」から「説明できる分」を引いた残りです。何か特別なものを測っているわけではありません。

黄色い服の人が電卓を持ち、説明役が計算結果と実際の動きを見比べる。2026年10月1日の、近い数字で計算した-0.34%を青、実際の+0.17%を赤で表示し、差の+0.51%を赤で示す。「実際の動き − 説明できる分 = 残り」と説明している。
近い数字で説明できる分と、実際の動きを比べます。「説明しきれなかった分」は、その引き算の残りです。

2. +0.51% は、めずらしいのか

この日は、株は下がったのに、実際の値段は上がりました。大きなずれに見えます。

そこで、設定の次の日(2018年11月1日)から2026年10月1日まで、計算できた1,927日ぶんを、このサイトと同じやり方で計算しました。ずれの大きさ(プラスかマイナスかは問わない)で数えると、こうなります。上の4行は「ここまでにおさまった日」の数なので、下の行は上の行をふくんでいます。

0.10%以内462日(24.0%)
0.25%以内1,030日(53.5%)
0.50%以内1,488日(77.2%)
1.00%以内1,788日(92.8%)
0.51%以上(10月1日と同じか、それより大きい)428日(22.2%)

(0.50%より大きく0.51%より小さい日が11日あるので、1,488日と428日を足しても1,927日にはなりません)

0.51%以上ずれた日は428日。およそ5日に1日です。10月1日のずれは、めずらしい大きさではありませんでした。

半分の日は、ずれが0.23%以内におさまっています。

3. プラスとマイナスは、ほぼ半々

ずれの向きも数えました。

プラスにずれた日982日
マイナスにずれた日945日

どちらかに片寄ってはいません。「いつも実際のほうが高い」「いつも低い」という形ではなく、日によって上にも下にもずれています。

4. 大きくずれた次の日は、逆にずれることが多かった

もう1つ、記録から分かったことがあります。

0.51%以上ずれた428日のうち、307日(71.7%)は、次の営業日に逆の向きにずれていました。

逆になったのは「計算と実際のずれ」の向きです。オルカンの値段が下がったあとに戻った、という意味ではありません。

黄色とティールの服の2人がカレンダーの記録を仕分け、虫眼鏡で確認している。外側の枠に計算できた1,927日、その中に0.51%以上ずれた428日(22.2%)、さらにその中に次の営業日に逆向きにずれた307日(71.7%)を示す。「価格の反発を数えたものではありません」と説明。カレンダーは日数を表す記号。
22.2%は1,927日をもとに、71.7%は大きくずれた428日をもとにした割合です。逆向きになったのは「ずれ」で、価格の反発を数えたものではありません。カレンダーは記号です。

いちばん分かりやすい例を1つあげます。

2020年3月9日説明できる分 -3.04%
実際の動き -6.02%
ずれ -2.98%
2020年3月10日説明できる分 -9.60%
実際の動き -5.75%
ずれ +3.85%

3月9日は、実際のほうが計算より大きく下がりました。次の日は逆に、計算のほうが実際より大きく下がりました。2日を合わせると、ずれはかなり小さくなります。

全体で見ても同じ形です。1日ぶんのずれの大きさは、平均で0.37%。5日ぶんをまとめて足しても、平均で0.38%でした(1,927日を前から5日ずつに区切り、プラスとマイナスをつけたまま足して、その大きさを平均したものです)。日ごとのずれが積み上がっていくなら、5日ぶんはもっと大きくなるはずです。そうなっていないのは、上と下のずれが打ち消し合っているからです。

5. なぜ、ずれるのか

毎日の記事には、理由を3つ書いています。

4章で見た「次の日に逆にずれる」という形は、時刻のずれがあるときに出る形と合っています。ある日の計算に入りきらなかった動きが、次の日の計算に入るからです。

ただし、これは「形が合っている」というところまでです。ずれのうち、どれだけが時刻のせいで、どれだけがほかの理由なのかは、この計算では分けられません。分けられないので、ここでは言い切りません。

ただ、3つの理由は、大きさがかなり違います。割り算で出せるものだけ、並べておきます。

信託報酬年0.05775%
1営業日あたり、およそ0.0002%
ぜんぶ足して残った分
(6章の +13.68ポイント)
1,927日でならすと
1日あたり、およそ0.007%
毎日のずれの大きさ半分の日が0.23%以内
平均で0.37%

信託報酬は、理由としては正しいのですが、1日の数字にはほとんど出ない大きさです。足して残った分も、1日にならすとわずかです。こちらは小さくても毎日おなじ向きに効くので、何年も足すと残ります。

1日で0.5%や1%というずれを作れる大きさがあるのは、3つのうちでは時刻の違いだけです。ただし、これも「大きさと形が合っている」というところまでで、時刻のずれだけを取り出して測ったわけではありません。

同じ大きさの3つの枠で、人が指数とETFの書類を見比べ、別の人が異なる時刻の時計を持ち、もう1人が信託報酬の明細とコインを確認している。使う数字の違い、時刻の違い、信託報酬を並べ、時刻については「形が合う、というところまで」と記す。下の説明役は「どの理由が、どれだけかは分からない」と話す。
使う数字・時刻・信託報酬など、ずれには複数の理由があります。各枠の大きさは原因の割合を表しません。時刻のずれとは形が合いますが、それぞれが占める分は、この計算では分かりません。

6. 足し合わせると、少しだけプラスに残る

上と下で打ち消し合うなら、ぜんぶ足せばゼロになりそうです。実際に足してみました。

1,927日ぶんのずれを単純に足すと、+13.68ポイント。1,927日は、1年を約245営業日とすると、およそ7.9年ぶんです。1年あたりにならすと、およそ +1.7ポイントになります。これは毎日の%をそのまま足した数字で、もうけの率ではありません。ゼロにはならず、少しだけプラスに残りました。

年ごとに見ると、こうです(1年まるごとある年だけを並べています)。

2019年+3.12
2020年-0.01
2021年+2.42
2022年+0.18
2023年+3.52
2024年+2.14
2025年+1.98

年によってばらばらで、ほぼゼロの年もあります。

指数とは何かで、このサイトが使っているETFの値段には配当が入っておらず、8年ぶんで見るとオルカンとの差が大きくなることを書きました。ここでプラスに残った向きは、それと同じ向きです。ただし、残った分のどれだけが配当によるものかは、この計算では分かりません。

7. じゃあ、この行をどう読めばいいのか

こう読むべき、とは書きません。分かったことだけを並べます。

これは過去の記録です。これから先のずれが同じ形になるかどうかは、この数字からは分かりません。

8. まとめ

「説明しきれなかった分」は、まちがいではなく、近い数字で計算していることから出る残りです。1日だけ見ると大きく見える日もありますが、大きくずれた日(0.51%以上)の7割ほどは、次の営業日にずれが逆の向きに出ていました。日ごとのずれが、そのまま同じ向きに積み上がっていく形ではありませんでした(ただし6章のとおり、ぜんぶ足すと少しプラスに残ります)。このサイトがこの行を消さずに出しているのは、合わない分があること自体が、この計算の正直な姿だからです。

数字の出どころ:基準価額は投資信託協会の公表データ(2018年10月31日〜2026年10月1日)。世界の株はYahoo Finance のETF「ACWI」、為替は同ドル円の日足です。この記事の日数・割合・合計は、毎日の記事と同じ計算式で、このサイトが計算した値です。1,928日のうち1日(2025年4月21日)は、もとの値がそろわず計算できなかったので、入れていません。

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