日経平均とオルカン ―― 日本の株価のニュースは、どれだけ効くのか
ニュースで「日経平均が大きく上がった」と聞くと、オルカンも上がったような気がします。2026年10月1日、日経平均は1日で2,203円(+3.30%)上がりました。その日のオルカンは+0.17%でした。日本の株価のニュースは、オルカンにどれくらい効くのか。設定からの全部の日で確かめました。
1. オルカンの中の日本は、5.0%
日経平均は、日本の大きな会社225社の株の値段をまとめた指数です。日本の株全体の動きを見る、いちばん有名なものさしです。
いっぽう、オルカンの中に入っている日本の株は、全体の5.0%です(2026年8月31日時点)。アメリカは62.8%です。くわしくはオルカンの中身に書きました。
もうひとつ、日付の話があります。オルカンの基準価額に入る日本の株は、その日の東京の値段です。アメリカの株は、前の日の夜の値段です(休みをはさむときは、その前の取引日の値段。なぜ日付が1日ずれるのか)。この記事では、オルカンの1日の動きと、同じ日の日経平均の動きを組にしました。
2. 日経平均が大きく動いた日、オルカンは同じ向きに動くことが多かった
2018年11月1日から2026年10月2日まで、日経平均とオルカンの両方に値がある1,927日を並べました。「平均」は、その日数ぜんぶのオルカンの動きの平均です。
| 日経平均が +3%以上 | 34日 → オルカンも上がった日 25日 オルカンの動きは平均 +1.30% |
|---|---|
| 日経平均が +2%以上 | 123日 → オルカンも上がった日 105日 平均 +1.07% |
| 日経平均が -2%以下 | 111日 → オルカンも下がった日 96日 平均 -1.40% |
| 日経平均が -3%以下 | 35日 → オルカンも下がった日 30日 平均 -2.13% |
日経平均が大きく動いた日、オルカンは多くの場合、同じ向きに動いていました。平均で見ると、動きの大きさは日経平均より小さくなっています。
ここだけ見ると、「日本の株価のニュースは、オルカンにもよく効く」と思えます。でも、オルカンの中の日本は5.0%です。かりに日本の株の部分がまるごと3%動き、ほかが動かなかったとしても、全体への効き方は0.15%ほど(5.0% × 3%)にしかなりません。平均で1%を超えて動いているのは、日本の分だけでは説明がつきません。
3. 逆向きに動いた日もあった
日経平均が2%以上動いた234日のうち、32日は、オルカンが逆の向きに動いていました。(同じ向きが201日、オルカンが動かなかった日が1日)
いちばん極端な例を、2日並べます。
| 2024年8月5日 | 日経平均 -12.40% オルカン -4.93% |
|---|---|
| 2024年8月6日 | 日経平均 +10.23% オルカン -2.49% |
8月6日、日経平均は1日で1割以上上がりました。それなのに、オルカンは下がっています。この日のオルカンに入っているのは、前の日の夜のアメリカの株です。その夜、このサイトの「世界の株」(世界の株をまとめたETF)は -2.62% でした。日本が大きく戻した日と、世界の株が大きく下げた夜が、同じ日のオルカンに重なっていたのです。
2026年10月1日も、似た形でした。日経平均は +3.30%。でも前の日の夜、世界の株は -0.43%。オルカンは +0.17% でした。
4. では、なぜ同じ向きが多いのか
日経平均が大きく動く日は、世界の株も、同じ向きに動いていることが多いからです。記録でも、日経平均の動きと、前の日の夜の世界の株の動きは、同じ向きになりやすい関係でした。オルカンは、その世界の株で動く。結果として、日経平均とオルカンが同じ向きに動いて見えます。
これを数字で確かめました。オルカンの毎日の動きは、日によって大きかったり小さかったりします。そのばらつきのうち、世界の株と為替の2つの動きから計算でどれだけ再現できるかを見ると、およそ81%でした。そこに日経平均を足しても、およそ83%です。
※「81%の日に上げ下げを当てた」という意味ではありません。また、これから先も同じ割合で当てはまる、という意味でもありません。正確には81.3%と82.6%です。
| 世界の株 + 為替 | およそ81% |
|---|---|
| 世界の株 + 為替 + 日経平均 | およそ83% |
日経平均を足して増えたのは、1.3ポイントでした。記録の上では、オルカンの動きのほとんどは世界の株と為替で説明できて、日経平均が新しく足す分は、わずかだった、ということです。
5. じゃあ、どう見ればいいのか
こう見るべき、とは書きません。分かったことだけを並べます。
- オルカンの中の日本の株は5.0%。オルカンに入るのは、その日の東京の値段と、前の日の夜のアメリカの値段
- 日経平均が2%以上動いた日、オルカンは多くの場合、同じ向きに動いた。ただし234日のうち32日は逆向きだった
- 同じ向きが多いのは、世界の株や為替も同じ向きに動いている日が多いから。日経平均を足しても、オルカンの動きを説明できる割合は1.3ポイントしか増えなかった(およそ81%→83%)
- 日経平均が1割上がった日に、オルカンが下がった日もあった(2024年8月6日)
これは過去の記録です。これから先も同じように動くかどうかは、この数字からは分かりません。
6. まとめ
日本の株価のニュースは、オルカンの数字とは、思ったより離れています。オルカンの中の日本は5.0%で、記録の上では、毎日の動きのほとんどを世界の株と為替で説明できました。日経平均とオルカンが同じ向きに動いて見えるのは、同じ世界の流れの中にいる日が多いからで、日経平均が足す分はわずかでした。日本のニュースを見たら、前の日の夜のアメリカと、為替のほうも見る。このサイトの毎日の表は、その2つを並べています。
数字の出どころ:日経平均はYahoo Financeの日ごとの終値、世界の株は同ETF「ACWI」、為替は同ドル円。基準価額は投資信託協会の公表データです。日本の割合(5.0%)は月次レポート(作成基準日 2026年8月31日)。日数・割合・「説明できる割合」は、2018年11月1日〜2026年10月2日の1,927日について、このサイトが計算した値です(日本の株は同じ日、世界の株と為替は毎日の記事と同じ日付の合わせ方)。
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