原油とオルカン ―― 原油が上がる日、オルカンはどっちに動いてきたか
2026年の9月から、週まとめには毎週のように原油が出てきました。100ドルを超えた週もあれば、89ドル台まで下がった週もあります。では、原油が上がった日、オルカンは上がってきたのか、下がってきたのか。設定からの記録で数えると、答えは年によって逆になっていました。
1. 原油の値段は、何を表しているか
ニュースで「原油」と言うときは、たいていアメリカの原油(WTI)の値段のことです。1バレル(約159リットル)あたり何ドルか、で表します。このサイトの週まとめでも、この値段を使っています。
原油は、ガソリンや電気、プラスチック、ものを運ぶための燃料など、多くのものの元になります。だから原油の値段は、世界中の会社のコストや、ものの値段(物価)につながっています。
オルカンの中には、石油の会社も、原油を使う側の会社も入っています。原油が上がると、得をする会社と損をする会社の両方があるのです。
2. 原油が大きく動いた日を全部数えると、少しだけ「同じ向き」
2018年11月から2026年10月5日まで、原油とオルカンの両方に値がある1,862日を並べました。オルカンに入る外国の株の値段は、おもに前の日の夜のものなので(なぜ日付が1日ずれるのか)、原油も前の日の夜の値段で組にしています。
| 原油が1日で +2%以上 | 366日 → オルカンが上がった日 224日(61%) |
|---|---|
| 原油が1日で -2%以下 | 327日 → オルカンが下がった日 171日(52%) |
原油が2%以上上がった日は、オルカンも上がった日のほうが少し多い。2%以上下がった日は、ほぼ半々です。全部まとめると、はっきりした関係は見えません。
3. 年ごとに分けると、向きが入れ替わっていた
ところが、年ごとに分けると、ちがう姿が出てきます。原油が1日で2%以上上がった日に、オルカンも上がった割合です。
| 2019年 | 34日中 24日(71%) |
|---|---|
| 2020年 | 60日中 44日(73%) |
| 2021年 | 43日中 34日(79%) |
| 2022年 | 64日中 30日(47%) |
| 2023年 | 36日中 20日(56%) |
| 2024年 | 32日中 23日(72%) |
| 2025年 | 29日中 18日(62%) |
| 2026年(10月5日まで) | 60日中 26日(43%) |
2019年から2021年は、原油が上がる日に、オルカンも上がる日が7割をこえていました。2026年は、半分を下回っています。
しかも2026年は、原油が2%以上上がった日が、10月5日までで60日あります。9か月あまりで、2020年(60日)の1年分と同じ数になり、2022年(64日)にも近づいています。ほかの年は29〜43日です。原油がよく動いた年でもあります。
4. 2026年7月からは、原油が上がった日にオルカンが下がることが多かった
2026年7月1日から10月5日までにしぼると、こうなります。
| 原油が +2%以上の日 | 19日 → オルカンが下がった日 14日 |
|---|---|
| 原油が -2%以下の日 | 13日 → オルカンが上がった日 7日/下がった日 6日 |
原油が大きく上がった日の、4日に3日ほどは、オルカンが下がっていました。2019年ごろとは、ちょうど逆の形です。いっぽう、原油が大きく下がった日は、上がった日と下がった日がほぼ半々でした。
たとえば9月11日。前の日の夜、原油は +6.69% 上がり、オルカンは -0.14% でした。9月2日も、原油 +5.20% に対してオルカン -0.44% です。
5. なぜ、向きが入れ替わるのか
理由は、この計算からは分かりません。ここでは、報じられている見方を並べておきます。
- 世界の景気がよくて、原油がたくさん使われるから上がるとき。会社のもうけも増えやすいので、株も一緒に上がりやすい、と一般に説明されます。
- 中東などで供給が止まる不安から上がるとき。2026年の9月は、こちらの説明で報じられることが多くありました。原油が上がると物価が上がり、物価をおさえるためにアメリカが金利を上げるのではないか、という見方が強まった、とも報じられています(9月28日には「10月に利上げがある」という見込みが約68%と報じられました)。金利が上がる見通しは、株には重しになりやすい、と言われます。
6. じゃあ、どう見ればいいのか
こう見るべき、とは書きません。分かったことだけを並べます。
- 全部の日で数えると、原油とオルカンの間に、はっきりした関係は見えない
- 年ごとに分けると、向きが入れ替わっていた。2019〜2021年は「原油が上がる日に、オルカンも上がる」が7割をこえた
- 2026年は、原油が2%以上上がった60日のうち、オルカンが上がったのは26日、下がったのは34日。7月1日〜10月5日では、19日のうち14日、オルカンが下がった
- 2026年は、原油が大きく動いた日が多い年でもある
これは過去の記録です。2027年がどちらの形になるかは、この数字からは分かりません。
7. まとめ
「原油が上がったら、オルカンはどうなる」に、決まった答えはありませんでした。同じ「原油が上がった」でも、年によって、オルカンの動きは逆になっていました。だから原油のニュースを見たときは、上がったか下がったかだけでなく、なぜ動いたと言われているのかまで見ておく。それでも、つなげて言い切ることはできない――記録が教えてくれるのは、そこまでです。
数字の出どころ:原油(WTI)はYahoo Financeの日ごとの終値(先物の期近)、基準価額は投資信託協会の公表データです。日数と割合は、2018年11月1日〜2026年10月5日のうち両方に値がある1,862日について、このサイトが計算した値です(原油は前の日の夜の値段で組にしています。原油に新しい値が無かった日は数えていません)。報じられている見方:Investing.com(2026年9月28日・原油高と利上げの見方)/CNBC(2026年10月1日・中東の供給不安)。2020年4月には原油の先物の値段が一時マイナスになり、その前後の動きは極端に大きくなっています(その期間も同じ計算で数えています)。オルカンが動かなかった日(前の日と同じ基準価額)は、上がった日にも下がった日にも数えていません。
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