アメリカの10年金利とオルカン ―― 金利が上がる日、円で持つと何が起きてきたか
週まとめには、毎週のように「アメリカの10年金利」が出てきます。2026年10月5日には5.31%になりました。このサイトが記録を取り始めた2018年10月からで、いちばん高い水準です。「金利が上がると株は下がる」とよく言われます。では、円で持つオルカンにとっては、どうだったのか。全部の日で数えると、少し意外な形が出てきました。
1. 10年金利とは
アメリカの国(政府)は、お金を借りるために国債という借用書を売っています。そのうち、10年たったら返す国債の利回りが「10年金利」です。アメリカの中央銀行(FRB)が、毎日の値を公表しています。
アメリカの国にお金を10年貸したら、1年あたり何%の利回り(もうけの割合の目安)になるか。それが、世界中のお金の「値段」の目安になっています。住宅ローンや会社の借入の金利も、これにつられて動きやすいと言われます。
金利そのものの話は金利が動くと、なぜお金の値打ちが変わるのかに、金利と円の話は金利が上がったのに、なぜ円が安くなったのかに書きました。
2. 2026年10月5日は、記録の中でいちばん高かった
| 2020年3月9日 | 0.50%(記録の中でいちばん低い) |
|---|---|
| 2021年の年末 | 1.51% |
| 2023年10月18日 | 4.90% |
| 2025年の年末 | 4.13% |
| 2026年2月27日 | 3.96%(2026年1月〜10月6日でいちばん低い) |
| 2026年10月5日 | 5.31%(記録の中でいちばん高い) |
※「記録」は、このサイトが取っている2018年10月からのデータのことです。それより前には、もっと高い時代もありました。
2026年の初めは4.19%でした。そこから10月までに、1ポイント以上上がっています。
3. 金利が大きく上がった日、オルカンは
2018年11月から2026年10月6日まで、1,862日を並べました。オルカンに入るのは前の日の夜の世界の値段なので(なぜ日付が1日ずれるのか)、10年金利も前の日の夜の値で組にしています。
10年金利が1日で0.1ポイント以上上がった日は92日ありました。その日、3つの数字はこう動いていました。
| 世界の株(ドルで見た値段) | 上がった 35日/下がった 57日 |
|---|---|
| 為替 | 円安 65日/円高 27日 |
| オルカン | 上がった 53日/下がった 39日 |
金利が大きく上がった日、世界の株は下がった日のほうが多かった。「金利が上がると株は下がる」という言い方と合っています。
ところが、オルカンは上がった日のほうが多かったのです。同じ日に円安になった日が多く、記録の上では、それが円で見た値段を支えていた形です。
4. 金利が大きく下がった日は、オルカンが下がった日が多かった
10年金利が1日で0.1ポイント以上下がった日は77日です。
| 世界の株(ドルで見た値段) | 上がった 31日/下がった 46日 |
|---|---|
| 為替 | 円安 23日/円高 54日 |
| オルカン | 上がった 24日/下がった 52日 |
金利が大きく下がった日は、円高になった日が多く、オルカンは下がった日が3日に2日ほどでした。この日は、世界の株も下がった日のほうが多くなっています。
つまり、記録の上では、円で持つオルカンにとっては、金利が大きく上がる日より、大きく下がる日のほうが、下がりやすかったということです。
※オルカンが動かなかった日(前の日と同じ基準価額)は、上がった日にも下がった日にも数えていません。そのため、合計が日数と1日ずれる行があります。
5. なぜ、こうなるのか
金利が上がったのに、なぜ円が安くなったのかで書いたとおり、アメリカの金利が上がると、ドルで預けたり、アメリカの国債を買ったりしたときの利息が多くなります。そのため、ドルが買われて円安になりやすい、と説明されます。3章の「金利が上がった日に円安が多い」は、この説明と同じ向きです。
オルカンの中身のほとんど(約95%)は外国の株で、基準価額はそれを円に直した値段です。だから、株が下がっても、同じ日に円安が進めば、円で見た値段は下がりにくくなります。
6. じゃあ、どう見ればいいのか
こう見るべき、とは書きません。分かったことだけを並べます。
- アメリカの10年金利は、2026年10月5日に5.31%。このサイトの記録(2018年10月〜)の中でいちばん高い
- 金利が1日で0.1ポイント以上上がった92日は、世界の株は下がった日が多かったが、円安の日が多く、オルカンは上がった日のほうが多かった(53日と39日)
- 金利が0.1ポイント以上下がった77日は、円高の日が多く、オルカンは下がった日が多かった(52日と24日)
- 金利が0.1ポイント以上動いた日の記録では、「金利が上がると株は下がる」は、ドルで見た世界の株には当てはまる日が多かったが、円で見たオルカンには、そのまま当てはまらなかった
これは過去の記録です。これから先も同じ形になるかどうかは、この数字からは分かりません。
7. まとめ
「金利が上がると株は下がる」は、ドルの世界の話としては、記録とおおむね合っていました。でも、円で持つオルカンには、もうひとつ「為替」がかかります。記録の上では、金利が大きく上がった日は円安になった日も多く、それがオルカンを支えていました。ニュースで金利の話を聞いたら、株と為替を、別々に見る。このサイトの毎日の表が、その2つを分けて並べているのは、そのためです。
数字の出どころ:10年金利はYahoo Financeの日ごとの値(10年国債利回り)、世界の株は同ETF「ACWI」、為替は同ドル円、基準価額は投資信託協会の公表データです。10年金利の公式の値はFRB(セントルイス連銀のデータベースFRED「DGS10」)で見られます。日数は、2018年11月1日〜2026年10月6日のうち値がそろった1,862日について、このサイトが計算した値です(10年金利・世界の株・為替は前の日の夜の値で組にしています)。
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