下げは「円」で見るか「%」で見るか ―― -874円は設定来6番目、でも%では58番目
2026年10月23日、オルカンは1日で874円下がりました。設定日から数えて、円の金額では6番目に大きな下げです。でも、%(-2.30%)で並べると58番目でした。同じ1日の動きなのに、円で見るか%で見るかで、順位がこんなにちがう。値動きを、何で見ればいいのか。設定日からの全部の日で確かめました。
1. 同じ%でも、値段が高いと、円の金額は大きくなる
基準価額が1万円のときに2.30%下がると、230円です。基準価額が3万8千円のときに同じ2.30%下がると、およそ870円になります。
| 基準価額 10,000円のとき | -2.30% = 約 -230円 |
|---|---|
| 基準価額 38,036円のとき(2026年10月22日) | -2.30% = -874円 |
※%は小数第2位で四捨五入しています(実際の動きは -2.2978…%)。
オルカンの基準価額は、約8年で1万円から3万円台になりました。そのぶん、同じ%の動きでも、円の金額は約3.8倍の大きさで出るようになっています(基準価額は何の値段か)。
2. 円の順位と、%の順位を並べると
設定日からの1,943日で、1日の下げが大きかった日を、円と%で並べました。
| 円の金額 / % / %での順位 | |
| 2025年4月7日 | -1,406円 / -5.79% / 4番目 |
| 2025年4月4日 | -1,223円 / -4.79% / 9番目 |
| 2024年8月5日 | -1,207円 / -4.93% / 7番目 |
| 2026年10月23日 | -874円 / -2.30% / 58番目 |
| 2020年3月17日 | -846円 / -9.26% / 1番目 |
※上の4日は、円の金額の大きい順で1・2・3・6番目。2020年3月17日は、円では8番目です。
%でいちばん大きく下がったのは、2020年3月17日の -9.26% です。でも、そのときの基準価額は9千円台だったので、円の金額では -846円 でした。2026年10月23日の -874円 より、円の金額は小さく見えます。
「何円下がった」だけを見ると、2020年3月17日より、2026年10月23日のほうが大きな下げに見えてしまいます。%で見ると、2020年3月17日は、2026年10月23日の約4倍の下げでした。
3. 年ごとに数えると、ちがいがはっきりする
1日で「500円以上」動いた日と、「2%以上」動いた日を、年ごとに数えました(上げも下げも数えています)。
| 500円以上 / 2%以上 / その年の基準価額の平均 | |
| 2019年 | 0日 / 11日 / 約1万500円 |
| 2020年 | 8日 / 39日 / 約1万1千円 |
| 2021年 | 1日 / 7日 / 約1万5千円 |
| 2022年 | 6日 / 34日 / 約1万6,500円 |
| 2023年 | 0日 / 11日 / 約1万9千円 |
| 2024年 | 15日 / 15日 / 約2万5千円 |
| 2025年 | 22日 / 14日 / 約2万8千円 |
| 2026年(10月23日まで) | 20日 / 6日 / 約3万6千円 |
2020年は、2%以上動いた日が39日もありましたが、500円以上動いた日は8日でした。2026年はその反対で、500円以上動いた日が20日あったのに、2%以上動いた日は6日でした(2026年は10月23日までなので、ほかの年より数えた日が少なくなっています)。
1日の動きの大きさ(上げ下げの向きは気にしない)の平均でも、同じ形が出ます。
| 円で見た平均 | 2020年 130円 / 2026年 226円(記録の中でいちばん大きい) |
|---|---|
| %で見た平均 | 2020年 1.23% / 2026年 0.63%(記録の中で小さいほう) |
円で見ると、2026年がいちばん激しく動いた年に見えます。%で見ると、2026年は、10月23日までの記録では、落ち着いていたほうの年でした。
4. 自分のお金がどれだけ動いたかは、%で分かる
下がる前に、オルカンを100万円ぶん(その日の評価額で)持っていて、その日に売り買いしていない人にとって、-2.30% は、およそ -23,000円です。これは、基準価額が1万円のときでも、3万8千円のときでも同じです。持っている金額がどれだけ動いたかは、「動く前の評価額 × %」で決まります。基準価額が何円動いたかとは、別の数字です。
このサイトの毎日の記事は、円と%の両方を出しています。円は「基準価額という値段が何円動いたか」、%は「持っているお金が何割動いたか」です。
5. ★この数字を、どう受け取ってはいけないか
- 「%で見れば小さいから、気にしなくていい」という意味ではありません。持っている金額が大きい人にとっては、2.30%でも大きな金額です。
- 2026年が「落ち着いた年」かどうかは、まだ途中です。10月23日までの記録です。
- ニュースで「過去最大の下げ幅」と聞いたら、それが円(ポイント)の話か、%の話かを確かめる。基準価額や指数が高くなっているときは、円の「最大」は出やすくなります。
6. じゃあ、どう見ればいいのか
こうすべき、とは書きません。分かったことだけを並べます。
- 同じ%でも、基準価額が高いほど、円の金額は大きくなる
- 2026年10月23日の -874円 は、円では設定日から6番目、%では58番目
- %でいちばん大きな下げは2020年3月17日の -9.26%(円では -846円)
- 2026年(10月23日まで)は、500円以上動いた日が20日、2%以上動いた日が6日。2020年は8日と39日
- 持っているお金がどれだけ動いたかは、%で分かる
過去の下げとくらべるときは、%どうしでくらべると、時期がちがっても同じ物差しで並べられます(過去、どれくらい下がったことがあるのかは、%で並べています)。
7. まとめ
円は「値段の動き」、%は「割合の動き」です。基準価額が上がってくると、同じ割合の動きでも、円の数字は大きく見えるようになります。オルカンの約8年では、円でいちばん大きく見える年と、%でいちばん激しかった年は、ちがう年でした。値動きの大きさをくらべるときは、%を横に置く。それがこの数字の読み方です。
数字の出どころ:基準価額は投資信託協会の公表データ(2018年10月31日〜2026年10月23日、1,944営業日・前日比は1,943日)です。順位・日数・平均は、このサイトが計算した値です(前の営業日の基準価額とのちがいを、円と%で数えています。2018年は11月と12月だけなので、年ごとの表からははずしています)。
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