上の帯=オルカンが投資している国/下の帯=そこを通じて持っている会社の例

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基本のき ④ お金と制度 16

手数料の差は、何年でどれだけになるか ―― 年1%のちがいは、約8年で2,865円

投資信託には、持っているあいだ毎日かかる費用(信託報酬)があります。オルカンは年0.05775%以内です。投資信託によっては、もっと高いものもあります。では、この「年○%」のちがいは、何年でどれくらいの差になるのか。オルカンの実際の約8年の値動きに、「もし費用が年0.5%・1%・1.5%・2%よけいにかかっていたら」を当てはめて計算しました。

1. 信託報酬は「年○%」で、毎日少しずつ引かれる

信託報酬は、1年ぶんの割合で書かれていますが、請求書が来るのではなく、毎日の基準価額から少しずつ引かれています(信託報酬)。だから、ふだんの値動きにまぎれて、目には見えません。

そして、引かれる元は「その日の財産」です。財産が増えれば、同じ年○%でも、引かれる金額は大きくなります。

2. 約8年で、どれくらいの差になったか

2018年10月31日に、基準価額1万円(1万口あたり)のオルカンを1万円ぶん買い、そのあと買い足しも売りもしなかったとします。2026年10月23日の基準価額は37,162円なので、持っている分も37,162円になっています。もし、同じ値動きで、費用だけが年○%よけいにかかっていたら、こうなっていた計算です。

オルカン(実際)37,162円
費用が年0.5%よけいだったら35,704円(-1,458円)
年1.0%よけいだったら34,297円(-2,865円)
年1.5%よけいだったら32,938円(-4,224円)
年2.0%よけいだったら31,627円(-5,535円)

※「よけいにかかっていたら」は、このサイトの計算上の例です(計算のしかたは、いちばん下の「数字の出どころ」)。実在するほかの投資信託の成績ではありません。

年1%のちがいで、約8年後には2,865円、オルカンの結果の約7.7%ぶんの差になりました。年2%なら、約15%ぶんです。

過去の記録を開いた生徒が、鉛筆と電卓で費用だけを変えた計算をしている。対象期間は2018年10月31日〜2026年10月23日。実際の37,162円と、費用が年1%よけいなら34,297円を並べ、差2,865円と示す。吹き出しは「ほかのファンドの成績ではないよ」。このサイトの計算上の例と明記している。
同じ過去の値動きに、追加の費用を当てはめた計算上の例です。実在するほかのファンドの成績ではありません。

3. この約8年では、差は年がたつほど大きく開いた

「年1%よけい」の場合の差を、時間の順に並べます。

約1年後(2019年10月31日)10,999円 と 10,889円 = 差 110円
約3年後(2021年10月29日)16,530円 と 16,039円 = 差 491円
約5年後(2023年10月31日)19,168円 と 18,228円 = 差 940円
約8年後(2026年10月23日)37,162円 と 34,297円 = 差 2,865円

1年後は110円だった差が、約8年後には2,865円になっていました。年数は約8倍ですが、差は約26倍です。理由は2つあります。

反対に、財産が増えない時期でも、費用は引かれます。たとえば2022年、オルカンは1年で -5.58% でした。下がった年にも、年○%の費用は同じようにかかっています。

左では、帳簿とカレンダーを前にした人が費用の箱へコインを入れ、毎日少しずつ引かれる費用の積み重ねを示す。右では、説明役が財産と費用のコインを指し、財産が大きいと同じ割合でも費用の金額が大きいことを示す。見出しは「この期間に、差が大きくなった理由」。コインは仕組みを表す記号。
この期間の差を説明する仕組みです。コインの枚数は、実際の金額や割合を表しません。

4. 費用は、どこで確かめられるか

投資信託の費用は、どのファンドも、運用会社の資料に書かれています。

どこに書いてあるか月次レポートや目論見書の「ファンドの費用」
くらべる項目買うときの手数料/持っているあいだの費用(信託報酬)/売るときに引かれるお金(信託財産留保額)
オルカンの場合買うとき なし/信託報酬 年0.05775%以内/売るとき なし(投資信託とは何か)

このほかに、株の売り買いの手数料など、ファンドの中でかかる費用もあります。くわしくは、それぞれのファンドの資料で確かめられます。

5. ★この数字を、どう受け取ってはいけないか

左の人が「ファンドの費用」の書類を指し、割合を資料で確認している。右の人は、コインの多い財布を描いた赤い「値上がり」のカードと、コインの少ない財布を描いた青い「値下がり」のカードを持ち、「値下がりすることもある」と話す。「費用が安い=もうかる、ではない」「費用と値動きは、別に考える」と示す。コインは仕組みを表す記号。
費用が安くても、値下がりすることがあります。コインは仕組みを表す記号です。

6. じゃあ、どう見ればいいのか

こうすべき、とは書きません。分かったことだけを並べます。

値動きは前もって分かりませんが、費用の「年○%」は前もって分かる数字です(引かれる円の金額は、その日の財産の大きさで変わります)。投資信託をくらべるときに、値動きとは別に見ておける物差しのひとつです。

7. まとめ

「年○%」は小さく見えても、オルカンの約8年では、持つ期間が長くなるほど、差は大きく開いていました。年1%のちがいが、1年後の110円から、約8年後の2,865円になりました。費用は、毎日、目に見えないところで、静かに引かれつづけています。

数字の出どころ:基準価額は投資信託協会の公表データ(2018年10月31日〜2026年10月23日、1,944営業日)。オルカンの費用は月次レポート(作成基準日 2026年9月30日)の「ファンドの費用」です。「よけいにかかっていたら」の値は、このサイトの計算です(オルカンの基準価額の毎日の変化率に、よけいな費用を年○%として日数に応じて少しずつ引く形で当てはめました。オルカンの基準価額は、オルカン自身の信託報酬を引いたあとの値なので、表の数字は「オルカンの費用に、さらに年○%を足した場合」です。税金は入れていません。分配金は8回の決算すべて0円です)。

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